富山インド協会


2024年 活動報告

交流拡大・相互理解を促進

 富山インド協会は5月29日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で総会を開きました。総会では蒲地会長が「来年は富山県とインド・アンドラプラデシュ州の間で交流・協力に関する覚書が結ばれてから、ちょうど10年となる。節目の年に向け、富山と成長著しいインドとの交流拡大や相互理解の促進につながる取り組みを進めていきたい」とあいさつしました。新田八朗富山県知事の代理で、林里香富山県理事・生活環境文化部次長が祝辞を述べました。議事では2023年度の決算を承認し、2024年度事業として、10月に富山市で大ヒットインド映画「RRR」の上映会を開くことを決めました。11月に黒部市で開かれる「宇奈月カレーマルシェ」に実行委員会からの要請を受けて後援し、イベントのPRに協力することも報告されました。

「間違いなくインドの時代に」  齋木氏(日印協会理事長)が講演

 総会に合わせて講演会も開き、公益財団法人日印協会理事長で元外務事務次官の齋木昭隆氏が講師を務めました。「21世紀はインドの時代か?」と題し、インドの人口増が当面続くことや企業がビジネス展開を進める上での注意点などを説明。「これだけ伸びしろのある国はなかなかない。間違いなくインドの時代になりつつある」と述べ、日印の関係強化の重要性を説明しました。

 齋木氏は、世界銀行がインドの2023年度の経済成長率を7.5%に上方修正するなど目覚ましい発展を遂げていることを紹介。G20でも存在感を高めているとし「今後、(各国は)インドと手を組まないと政治、経済の両面でうまくいかなくなる」と話しました。インド人の平均年齢は28歳と若く、人口も2050年ごろまで増え続けるとの見通しも示しました。

 駐インド大使を務めた経験から、企業が現地進出する際のポイントとして「マーケットが巨大で、いきなり全国展開は難しい」と指摘し、過去に進出に失敗した日本企業が多いことにも触れました。適切なビジネスパートナーを選び、まずは地方進出を目指すことが必要だと訴えました。

 日印関係は長く良好であり、安全保障面でも協力関係を構築する意義は大きいことを強調しました。一方、インド内政面の課題として隣国パキスタンとの関係やインフラ整備の不十分さを挙げ、近年の発展をけん引するモディ首相の後継者にも注目が集まることを解説しました。

ページトップ