富山インド協会の設立総会・祝賀会に合わせて、インド投資セミナーが昨年9月20日、富山市の富山国際会議場で開かれました。駐日インド大使館のアルン・ゴヤル経済商務担当公使をはじめ、IT、製薬、製造、観光の分野で活躍する日印の講師5人がインド経済の実態と今後の方向性などについて最新情報を報告。約120人の参加者が、世界の成長センターとして飛躍するインド経済について理解を深めました。
2011年 活動報告
インド投資セミナー(2011年9月20日)
インド経済の実態報告 インド投資セミナー
① Doing Business with India(インドとビジネスを) ~インドのマクロ経済概況と好機
補完し合い関係拡大
インドは1991年の経済改革以来、20年間にわたり平均7%の経済成長を遂げてきた。今ではノキアなど世界のトップ企業が進出し、研究開発拠点としても注目されている。
日印関係は歴史的に最良の時にある。高齢化で需要が停滞する日本に対し、インドは人口の半分が25歳以下で大きな需要の伸びが見込まれ、優れた若い人材の提供も可能だ。両国には補完性があり関係が拡大できるはずだ。
② 製薬業界における日印協力~課題とビジネスチャンス
今こそ協力すべき時
インドの製薬業界は原薬サプライヤーとして、欧米だけでなく、新興国にも市場を広げている。製薬市場は2009年で約130億ドルの規模だったが、20年には550億ドルになる見込みだ。背景には人口増や購買力向上、保険加入者の増加などがある。
インドは米食品医薬品局(FDA)の承認を受けた工場が多く、コスト競争力もマンパワーもある。日印は今こそ協力すべき時が来ている。
③ インドのICT(情報通信技術)産業の強みを生かす
インドの人材有効活用を
インドのIT産業の産業規模は760億ドルに達した。うちソフトウエアやサービスが600億ドルを占め、多くは輸出向けだ。一方で通信事業など国内市場も広がっている。
日本企業は拡大するインド市場への参入や、研究開発でインドの人材を有効活用することでビジネスチャンスが生まれる。日印経済連携協定(EPA)を足掛かりにより強固な協力体制をつくり、世界市場を取り込んでいくことが、互いの成長にとって重要だ。
④ インドにおけるYKKの事業展開
ファスナー需要に対応
インドは教育や語学力の水準が高く、南アジアではカントリーリスクが相対的に低い。YKKは1995年にインド社を設立し、ニューデリー近郊の工業団地に進出した。ファスナー需要の約30%が北部インドにあることなどが決め手だった。
一方、道路など社会インフラが整っていないことや、生産設備の輸入関税が高いなど、製造業にとっての課題はある。進出に当たってはしっかりとした調査が必要だ。
⑤ 素晴らしきインド~誰もが楽しめる観光地
豊かな自然・文化が魅力
インドはあらゆる旅行者のニーズに応えられる国だ。世界遺産は28件あり、これらを巡るだけでも十分楽しめる。仏教発祥の地など各地に点在する優れた建築や風景を好む旅行者は多い。豊かな自然も魅力だ。71カ所の国立公園や403カ所の自然保護区などがあり、多様な生態に触れることができる。
国際会議や展示会で使える施設も整ってきており、ぜひ日本から多くの人に来てほしい。
比良理事長(在日印度商議所)に感謝状・富山インド協会に寄付(2011年10月6日)
富山インド協会に100万円を寄付した比良竜虎在日印度商工会議所(東京)理事長に、同協会長の河合隆北日本新聞社長が昨年10月、感謝状を贈りました。
河合会長が比良理事長が社長を務める「ホテルマネージメントインターナショナル」東京本部(東京・東上野)を訪問。「日本とインドの交流に対する深い理解から、多額の寄付をしてもらったことに感謝の意を表します」と述べ、感謝状と記念品を贈呈しました。比良理事長は「素晴らしい協会を発展させてほしい。自分も富山のために協力したい」と語りました。
比良理事長はホテルマネジメント業を手掛け、インドから日本に帰化。協会の参与を務めています。